日本でホームスクールは違法?就学義務と教育機会確保法をやさしく解説
日本でホームスクールとは、法律で禁じられた行為ではなく、家庭が学校以外の場所で子どもの学びを選ぶことです。
「うちの子を学校に行かせていないなんて、法律違反になるんじゃないか」——この不安、僕のところにもよく届きます。
先に結論を言っておくと、ホームスクールそのものを罰する法律は日本にありません。
でも、なぜこれだけ「違法かも」という不安が広がっているのか。そこには、学校教育法という法律の読み方のズレがあります
(ホームスクールの定義や海外での歴史については、こちらの記事でくわしく解説しています)。
なぜ「違法では」と不安になるのか——就学義務の誤解
学校教育法が定めているのは「学校に行かせる義務」そのものではない
学校教育法第17条は、保護者に対して子どもを「就学させる義務」を定めています。
ここだけ読むと「絶対に学校に通わせなきゃいけない」と思ってしまいますよね。
でも実際にこの条文が求めているのは、子どもに教育を受けさせることであって、校舎に毎日足を運ばせることそのものではありません。
「正当な理由」があれば、通わせなくてもいい
学校教育法施行令には、病気や経済的な事情、そして「その他やむを得ない事由」があれば、就学義務が猶予・免除されるという規定があります。
文部科学省は、不登校の状態にある子どもについても、この「正当な理由」に含めて運用しています。
つまり、行けない・行かないことそのものが即座に違法になるわけではないんです。
転機になった教育機会確保法(2017年)
この法律が認めたこと
2017年2月、正式名称「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(通称:教育機会確保法)が施行されました。
この法律は、不登校の子どもに対して「学校復帰だけがゴールではない」という前提を、国としてはじめてはっきり示したものです。
フリースクールや家庭など、学校以外の場での学びも、教育の選択肢として尊重されるようになりました。
「出席扱い」という仕組み
さらに実務面で大きいのが「出席扱い」の制度です。
文部科学省の通知にもとづき、一定の条件を満たせば、フリースクールや自宅でのIT教材を使った学習が、在籍校の「出席」として認められるケースがあります。
条件や運用は自治体・学校によって差があるので、担任の先生やスクールカウンセラーへの相談が最初の一歩になります。
それでも気をつけたいこと
在籍校・教育委員会との関係は切らない
ホームスクールは違法ではありませんが、だからといって在籍校との関係を完全に断ってしまうのはおすすめしません。
保護者が「正当な理由」なく就学義務を果たしていないと判断されると、教育委員会から連絡が来ることがあります。
この段階でこそ、学校以外の場で学んでいる事実と、その中身をきちんと伝えられるようにしておくことが大事です。
「勝手にやめる」と「相談して選ぶ」は全然違う
同じ「学校に行かない」でも、何も伝えずに済ませるのと、事情を共有した上で家庭での学びを選ぶのとでは、その後の関係のつくりやすさがまるで違います。
出席扱いの制度を使うにしても、まず学校側との対話が前提になります。
現場で見てきたこと——法律より先に、僕が見た子どもたちの姿
僕はこれまで、1対1の指導だけで5,000時間以上、子どもたちと向き合ってきました。
特に小学生不登校専門のコノハナで出会う親御さんの多くが、最初に口にするのが「学校に行かせていないのは、親としてダメなんじゃないか」という自分を責める言葉です。
でも、実際に法律や制度を一つひとつ確認していくと、家庭で学ぶという選択は、決して後ろめたいものじゃないとわかってきます。
僕が見てきた子どもたちも、学校のペースから離れたことで、かえって小さな「できた」を積み重ねられるようになっていく場面を何度も見てきました。
だからこのサービスをつくりました。制度の正しい理解と、その子に合ったペースの学びを、両方そろえて支えたかったからです。
よくある質問
Q1. ホームスクールを選んだら、退学扱いになりますか?
なりません。
学籍は在籍校に置いたまま、家庭での学びを選ぶ家庭がほとんどです。
退学や転校の手続きが自動的に発生するわけではありません。
Q2. 出席扱いにするにはどうすればいいですか?
文部科学省の通知にもとづき、自治体・学校ごとに条件が定められています。
まずは担任の先生やスクールカウンセラーに、家庭での学習内容を伝えて相談するところから始めます。
Q3. 学校に一度も相談せずに始めても大丈夫ですか?
法律上、罰せられるわけではありませんが、教育委員会から就学状況の確認が入ることがあります。
あとで困らないよう、事情を共有しながら進めることをおすすめします。
まとめ
ホームスクールは、日本の法律で禁じられた選択肢ではありません。
学校教育法が定めているのは「教育を受けさせる義務」であり、正当な理由があれば柔軟に運用されます。
2017年の教育機会確保法以降、学校以外の学びはより明確に選択肢として認められるようになりました。
ただし、在籍校や教育委員会との関係を切らず、相談しながら進めることが、家庭にとっても子どもにとっても一番安心できる道だと僕は思っています。
お子さんの学び方について、誰かに話してみたくなったら、こちらからお気軽にご相談ください。
無料の個別相談で、その子に合った最初の一歩を一緒に考えますね。
この記事を書いた人
鈴木 裕人(Arist代表)
福岡の家庭教師・ホームスクール「Arist」代表。1対1指導5,000時間。小学生不登校専門「コノハナ」主宰。プロフィールはこちら



